1 自立活動とは
松山聾学校をはじめとした特別支援学校では、幼稚園、小学校、中学校、高等学校に準ずる教育を行うとともに、障がいによる学習上又は生活上の困難を主体的に改善・克服するために、「自立活動」という特別の指導領域が設けられています。
【自立活動の内容】
自立活動の内容は、人間としての基本的な行動を遂行するために必要な要素と、障がいによる学習上又は生活上の困難を改善・克服するために必要な要素で構成しています。
それらの代表的な要素は「健康の保持」「心理的な安定」「人間関係の形成」「環境の把握」「身体の動き」及び「コミュニケーション」の6つの区分に分類・整理されています。そして、6つの区分の下にそれぞれ3~5の項目が示されており、計27の項目があります。
これらの項目を、一人一人の幼児児童生徒の実態に応じて選定し、相互に関連付けながら行うのが、「自立活動」です。
2 本校の自立活動
本校では、学校の教育活動全体における指導と自立活動の時間における指導の2つについて個別の指導計画を作成し、自立活動を行っています。作成に当たっては、幼児児童生徒自身や保護者の希望を踏まえ、計画を立て、指導を行い、記録を残し、引継ぎを行い、円滑な指導ができるように配慮しています。
【重点目標】
重点目標として、次の3つの目標を掲げています。
- 「聞く」「話す」「書く」「読む」等の教育活動を推進し、日本語の力を育成する。
- 聴覚障がいの特性について理解を深め、自己を肯定的にとらえながら、個々の発達の段階に応じた障がい認識を深め、周囲の状況に応じて行動する力を育成する。
- いろいろな手段を使ってコミュニケーション能力を高め、受容と表出を増やそうとする態度を育成する。
【本校自立活動の3つの柱と4つの領域】
本校では、この3つの重点目標を、「日本語の力」「障がい認識」「コミュニケーション」という指導の「柱」とし、この目標達成のために、自立活動の6つの区分(27項目)を相互に関連させながら、「聴覚学習」「発音発語の学習」「言語の学習」「障がい理解の学習」の4つの領域に再構築し、自立活動を進めています。
本校自立活動の3つの柱と4つの領域